●ボディを交換する。
 
 錆びているクルマと錆びていないクルマ、どちらかと言うと錆びていないクルマが好みです。では、錆びていないけれど激しく歪んでいるボディと、錆びているけれど歪んでいないボディ。どちらを取るかと言えば、後者です。このあたりは人によりけりでしょう。
 
 管理人のSJ20の最大の難所は、左リアの巨大な凹みと右サイドパネルの歪みです。これに比べるとサイドシルの損傷や傷、サビの類は軽症なのですが、度重なる衝撃によってボディ全体が歪んでいます。左に傾き、パネルに皺がよったこのボディの修理は、素人の域を超えており、また外注に出したとしても程度の良いSJ10(のボディしか使わない)が買えてしまう金額になります。

 フロアが抜けてサビが繁殖しているものの、ストレートなボディが目の前に現れたときは正直、悩みました。二十数年間、このボディと付き合ってきました。このフロアの上で、いろいろなことがありました。しかし、この先ずっと乗り続けることを考え、現在の歪んだボディに別れを告げる事に決めました。ドナーは昭和55年式SJ10(の抜け殻)です。

 これはレストアなどという上等なものではなく、ココロの修理です。

 
 最小限の分解でボディを解体してゆきます。再使用するフロント回りは、補修が終わっているので丁寧に取り外し。ボルト類は全て交換します。

 
 細かい内装部品も、全て撤去します。別物に換えるのはあくまでボディタブのみで、それ以外は今まで使っていたものを使う方針ですので、スイッチをはじめとした電装系統は別所で再生作業に移ります。他人にはどうでも良いことかもしれませんが、私には大切なことです。ボディを降ろすと、高い位置にマウントされたエンジンがよく解りますね。

 
 降ろされたボディと新たに載せるボディ。この状態でも、新たなボディのストレートさが解ります(サビていますけど)。オリジナルはイエローで、その上から分厚くオレンジ、黒がハケ塗りされた3コートペイント。こういった厚塗り塗装や油汚れなどは、保護膜になっているので下地のコンディションが良かったりもします。しかしながら、剥離は相当大変であることが容易に想像がつきます。


 真っ直ぐな荷台のフロアを基準に撮影しています。テールランプ穴の位置関係、リアホイールハウスの水平に対して左下がりのフロントカウルに注目。右サイドパネルは一度入り込んでから外に向かって開くという複雑な変形っぷりです。バケットシート装着の為、重要なサイドメンバーである補強のバーを切断している影響も大きいです。ボディマウントのボルトは無理な状態のまま固定されていたので、ボルトの軸が穴に噛み込んで激しく痩せていました。

 
 載せるのは簡単ですが、固定はしていません。再度リフトして下回りの完全防錆とフロア補修、外装の錆び取りと、凹みの修正を行います。・・・・・画像だけで見た人には、何故汚いボディに積み替えるのかと思われそうですね。

 
 仮載せの状態でこの姿勢。最高です。この素晴らしいボディはエイト部品共済滋賀支部の某ハイロンサムさんに譲っていただいたものです。わざわざ運んでいただいた上に、換装作業まで強制・・・氏にはBigなお礼を考えています。